お部屋にソファーを取り入れよう!
…でも、どうやって自分にぴったりなソファーを選べばいいの?そう感じる方は多いのではないでしょうか。
今回は、ソファーの構造から種類、サイズなど、さまざまな観点からソファーの選び方をご紹介します。
一般的なソファーの構造をご説明すると、木製のフレームによって、ソファー全体の骨組みが作られ、ソファーのだいたいの形が出来上がります。
出来上がった骨組みの上に、ウレタンフォームと呼ばれるスポンジ素材のようなものでカバーをし、クッションを作っています。
木製フレームに衝撃吸収材を組み合わせることで、私たちが座った時の衝撃を和らげるだけでなく、耐久性や座り心地を安定させます。
衝撃吸収材は、コイルスプリング、ウェービングテープ、S字ばね(波型スプリング)のいずれかがよく使用されています。
縦巻きのスプリングで、体重を支えるべくソファー内部で無数に並んでいます。
私たちがソファー座面のどの部分に座っても均等に体重を受けとめる、極めて重要な役割をもっています。
へたりにくく、耐久性が強いため、比較的高価なソファーによく使われています。
繊維とゴムを混ぜたような素材でできたテープで、ソファーが受ける重さをコイルスプリングと一緒に支えるため、ソファーの座面下で縦横に組み合わさって配置されているものです。
コイルスプリングほどの弾力や耐久性はなく、比較的安価なソファーに使われていることが多いです。
とはいえ、最近のウェービングテープも強靭なものが多く、耐久性もかなり期待できる衝撃吸収材として認められています。
ウェービングテープを使うことで、ソファー全体の軽量化もでき、いろいろなデザインに使いやすい、というメリットもあります。
その名の通りS字型のばねで、波型スプリングとも呼ばれている衝撃吸収材です。横に連結させて使われています。
耐久性の強さはコイルスプリングには少し劣りますが、しなやかな弾力をもち合わせているため、しなやかな座り心地が楽しめます。
衝撃吸収材によって座り心地や耐久性が大きく変わりますので、価格を見るのと同じように、衝撃吸収材もチェックしながらソファーを選ぶと良いですね。
それぞれの衝撃吸収材を使ったソファーの平均的な座り心地は、こちらの表のようになります。
コイルスプリング | ウェービングベルト | S字バネ | |
---|---|---|---|
クッション性 | 弾力のあるしっかりとした座り心地 | 弾力は少なく、硬さを感じることも | 弾力はやわらかさを感じる |
均一性 | どこに座っても同じ座り心地♪ | 端になるほど硬い座り心地に | 端になるほど硬い座り心地に |
やわらかさ | やわらかさよりも弾力が勝る | 布製のため、やわらかさは少なめ | しなやかでソフトな座り心地♪ |
耐久性 | バネがへたりにくく頑丈! | 長期使用で伸びきってしまうことも | コイルにはやや劣るが長期使用可 |
体への負担 | 長期間座っても疲れにくい♪ | 長時間座るのには不向き | やや疲れにくい |
座面は、先ほどご紹介した衝撃吸収材の上に置かれています。
座面に使われるクッションは、近頃はウレタンフォームが主流で、ウレタンフォームの密度や厚み、硬さによっても座り心地が変わります。
この座面も、衝撃吸収材と合わせて、座り心地を左右する大事なパーツです。
ソファーの背面は、フレームにウェービンテープとウレタンフォームを組み合わせることで弾力をつけていることが多いですが、価格が高いものになると、背面にもコイルスプリングが使用されていることもあります。
こちらも座面同様ウレタンフォームの密度や厚みで、もたれた時の快適さが違ってきます。
選ぶ際は、実際にどのような座り方をすることが多いか、どのような用途で使いたいかで理想の背面を想像しておくと良いかもしれません。
ちょっとしたティータイムや読書タイムに重宝するひじ掛けは、木製の枠とウレタンフォームで形成されています。
厚みがあり、高さがあるものはもたれ掛かることもできますし、低いものは寝そべった時の枕代わりにも使える便利なパーツでもあります。
脚の素材は木製や金属製が多く、高さや形状もさまざまです。
木製の脚はあたたかみを、金属製の脚はシャープさとモダンさを与えてくれます。
パーツとしては小さいですが、高さによっては、印象や用途も異なってくる重要なパーツです。
脚が高いソファーは軽やかな印象を与えやすく、掃除機でのお掃除もしやすいですね。
脚が低いソファーは安定感があり、ゴロゴロするには最適の高さでしょう。
張り地は、ソファーの表面に使用されている生地のことで、この素材が一番気になる方も多いのではないでしょうか。
張り地は、下記のような素材がポピュラーです。
ソファーに使われる多くの天然皮革は牛革が多いといわれています。
牛革は肌触りがスムーズで、しっとりとした質感が楽しめるのが特徴。
耐久性は他の素材と比較してもピカイチです。
使えば使うほどこなれた質感になり、より深みのある色味に変化する「経年変化」が楽しめる素材として人気です。
保湿性が高く、熱伝導率が低い素材としても重宝されており、冬の冷たく乾燥した空気や夏の湿度の高い空気を遮断するため、寒い時は暖かく、暑い時はひんやりとした質感を感じられます。
マイクロファイバーなどのファブリックと合成樹脂を混ぜ合わせた素材で、見た目がレザーのような質感をもつ生地です。「ソフトレザー」とも呼ばれています。
加工や着色もしやすく、インテリアにマッチしたカラーを探しやすいのも特徴。型押しなどの加工も可能なことから、表現力に富んだ素材ともいえます。
また、どんな生地も全て均一に作り上げられる点も人工皮革の魅力。
同じクオリティを保ちながら量産できるため、安価であることも特徴です。
ファブリックならではのやわらかさとあたたかみを感じさせてくれる素材です。
カラーバリエーションも豊富で、繊維や織り方で雰囲気や印象も変わるため、皮革系素材よりも選択肢が広がる素材といえるでしょう。
水や汚れ、ダニなどに弱いですが、ファブリックは表面の加工がとても簡単なため、撥水加工されているものや、ソファー本体から取り外して洗濯できるカバータイプのものなど、お手入れしやすいものもたくさんあります。
張り地別の特徴を比較すると、こちらの表のようになります。
天然皮革 | 人工皮革 | ファブリック | |
---|---|---|---|
カラーバリエーション | 天然素材のため本来のカラーのみ | 素材に染色できるため豊富 | 素材に染色できるため豊富 |
通気性 | 蒸れにくく、湿気に強い! | 通気性は天然皮革より劣る | 空気を通しやすい! |
防汚性 | ホコリや汚れ、ダニに強い | ホコリや汚れ、ダニに強い | ホコリや汚れ、ダニに弱い |
耐久性 | ダメージに強く、長く使いやすい | 経年劣化しやすい | 摩擦や汚れに弱い |
耐水性 | 濡れてもすぐに拭き取ればOK! | 濡れてもすぐに拭き取ればOK! | 濡れるとシミになりやすい |
価格 | 天然素材のため高め | 加工・量産が容易なため安価 | 比較的安値 |
お手入れの難易度 | こまめなメンテナンスが必要 | 拭き取り掃除で手軽♪ | 汚れやダニ対策は常に必要 |
どのような用途で使うかによって、快適な幅は大きく変わってきます。
幅には、
❶ 本体そのものの幅
❷座面の幅
の2サイズがあります。
本体そのものの幅は、
❶ 問題なく搬入できる幅か
❷ 希望の場所に置ける幅か
ということを考えて選ぶ必要があります。
座面の幅は、
「用途に沿った幅であるか」を考える必要があります。
たとえば「ソファーはゴロゴロするために買いたい!」という方は、まず座面に寝転んでみて体が収まるサイズかどうかを確認することが必要になってきます。
「2人で座りたい!」という方は、2人で座ってくつろぎやすいサイズかどうか、2人の間の距離がどれくらい空けば快適なのかを確認する必要があります。
まず2人で座り、窮屈でないサイズが理想的です。
座面の幅を試す時、
❶ 新聞を広げてみる
❷ 座面であぐらをかいてみる
など、実際の生活のシーンを思い浮かべながら店頭で確認してみましょう!
生活スタイルや座り方によっては、
「使用人数は2人だけど、3人掛けソファーが座りやすかった」ということもよくあります。
「2人で使うから、2人掛けが最適!」というわけではないのです。
普段の生活スタイルから自分にあった幅を見つけることが大切です。
奥行きも幅と同じように、
❶ 本体の奥行き
❷ 座面の奥行き
の、2サイズがあります。
本体の奥行きは、
❶ 搬入・設置が可能な奥行きか
❷ 生活動線の邪魔にならないか
などを考えて選ぶのがおすすめです。
座面の奥行きは、
❶ 座る際に自分の好きなスタイルで座れるか
❷ 横になれる奥行きがある
などを考えて選ぶと良いでしょう。
奥行きが狭めのものは、
❶ 座ってPC作業をする
❷ ソファーで読書を楽しみたい
❸ ソファーで食事をしたい
という方におすすめです。
奥行きが広めのものは、
❶ ソファーで横になりたい
❷ 座る時はあぐらをかきたい
❸ 子どもとソファーで遊びたい
いう方にぴったりです。
高さも、
❶ 座面の高さ
❷ 背もたれの高さ
の2サイズがあります。
座面の高さは重要で、
❶ テレビが見やすい高さ
❷ テーブルと併用してPC作業がしやすい高さ
などを考慮して選んでみると良いでしょう。
背もたれの高さは、どちらかというと用途よりは見た目の違いが大きい要素です。
❶ 見た目の圧迫感をなくしたい方
❷ お部屋の広さが気になる方
❸ 背の低い家具を使っているお部屋
には、背もたれが低めのものがおすすめです。
インテリアの中心にしたい方は、背もたれが高めのものを選ぶと良いでしょう。
また、高い背もたれは、もたれた時に首と背中を支えてくれるため、長時間テレビを見る方や映画鑑賞が趣味の方におすすめですよ。
1人用のソファーで、オーソドックスなひじ付きタイプからリクライニング式のものまで幅広くあります。場所をあまり取らないため、座り心地のほか、用途や機能で選ぶ方も多いようです。
通常の2人掛け用ソファーよりも若干小さめにデザインされているソファーで、2人でゆったりと使いたい方には不向きかもしれません。
コンパクトなサイズのものも多いため、カップルだけでなく単身者やお部屋にゆとりを持ちたい方にも人気のタイプです。
正面を向き、背もたれにもたれたまま、足が伸ばせるのが特徴のソファーです。多くのシェーズロングソファーは大きめでスペースを取ってしまいますが、リラックすることを目的にソファー購入を検討している方にはおすすめです。
シェーズロングソファー同様大型のソファーで、広めのリビングに適しています。
「コーナー」の名前通り、お部屋の角に置いて使えます。
大きいながらスペースを有効活用できるタイプのソファーです。
普段はソファーとして、急な来客やちょっと横になりたい時は簡易ベッドとして使用できるマルチなソファーです。
に特におすすめです。❶ 1人暮らしで、ソファーもベッドも欲しいけれどスペースが足りない方
❷ よく泊まりに来る家族や友人がいる方
脚がないタイプのソファーで、フロアソファーとも呼ばれています。
床との距離がとても近いため、
に特におすすめです。❶ 床座に慣れている方
❷ 圧迫感なく、お部屋を広く見せたい方
ソファーの助っ人のような役割をしている「脚置き」のことです。
お使いのソファーに追加するだけで脚を伸ばしてリラックスできるため、
「脚を伸ばして正面座りしたいけれど、シェーズロングソファーは大きすぎるし…」
とお悩みの方におすすめです。
脚置きだけでなく、ちょっとしたスツールとしても使えますよ♪
先ほどもご紹介しましたが、実は座る人数はあまり関係ないのです。
1番の決め手にしたいのは、「どのような使い方をしたいか」です!
応接室用に使う、家族の団らんで使う、ゴロゴロしながらテレビを見るために使う…など、まず用途をイメージしましょう。
ひじ掛けがあるタイプのソファーは、寝転がる際に足が伸ばしにくいだけでなく、首の位置が高くなり、リラックスできないことも。
寝転がって使いたい場合は、
❶ ひじ掛けがないソファー
❷ ひじ掛けが低めのソファー
❸ シェーズロングソファーのように脚を伸ばしてリラックスできるソファー
がおすすめです。
来客の多いお宅や事務所、ビジネスライクなコーディネートには、シンプルなデザインのものをおすすめします。
応接間で使用する場合は、テーブルなどと併用する場合も多いので、テーブルでお茶を飲んだり、長時間座っていても疲れにくい、しっかりとした座り心地のものを選ぶとよいでしょう。
床座に慣れている方や、ソファー本体にもたれかかってリビングテーブルで食事することが多い場合は、
❶ 座面が低いソファー
❷ 脚がない(脚が低い)ローソファー
がおすすめです。
など、具体的なサイズが今現在分からない時は、幅に余裕のあるサイズを買っておくと失敗が少ないです。
「このソファーがいいな!」と思って購入しても、購入後に生活スペースが窮屈になって困った…という方も多いようです。
「購入したいソファーの大きさが自分のお部屋のスペースにフィットするか」は、忘れず意識しておきましょう。
購入時、ご希望のソファーのサイズを確認するのはもちろんですが、下記の3ポイントを確認しておくと、ソファーを置きたいお部屋にフィットするサイズが把握しやすくなります。
床の面積はどれくらいか
コンセントやコード類、カーテンの厚みなどを把握
生活に必要な動作や経路をふさがないか、他の家具が使いやすい幅はどれくらいか、など
ぬくもりのある空間が作りやすく、またエネルギーにあふれた空間づくりにも向いています。
はっきりした強いカラーではないものが多いため、目に飛び込んでくる情報を最小限に抑えられることから、リラックスした空間作りに最適です。
さわやかで落ち着いた印象を与える寒色は、書斎や落ち着いた空間をより引き締めてくれる効果があります。
色の効果を利用すると、より心地よい空間づくりができるでしょう。
実は、お部屋のカラーは面積の大きさによって色の構成要素が分けられています。
床や天井など、室内で最も面積が広いもののカラーです。
カーテンや家具など、ベースカラーの次に面積が広いもののカラーです。
雑貨やクッションなど、室内で最も面積が小さいもののカラーです。
3要素のカラーを統一させると落ち着いた空間を作りやすく、またアイテムのカラーを強調させるとメリハリの効いた空間が作りやすくなりますよ。
天井か床の色に似たソファーを配置すると落ち着いた空間が作りやすいです。
カラーを強調したいアイテム以外は床や壁に似たカラーを選んでレイアウトすると色同士がケンカせず、対象のアイテムをうまく強調できるでしょう。
ソファーを強調したい場合は、ソファー以外のアイテムのカラーを床や壁に似たカラーで統一する、という方法です。
ソファーの選び方やレイアウト案をご紹介してきましたが、選び方と同じく大切になってくるのが、「お手入れ」。
ソファーは購入後、何年にもわたって使う方も多いと思います。
長期にわたって使用する大切なものだからこそ、お手入れの方法は知っておきたいところです。初心者の方でも簡単にできるお手入れ方法を、張り地の素材別にご紹介します!
やわらかく、乾いた布でやさしく表面をなでるように拭き掃除をしましょう。
実は天然皮革は日光や熱に弱い素材。エアコンの風が直接当たる場所やストーブなど暖房器具の近くに置くことはなるべく避けたほうが良いでしょう。
飲み物など水分のあるものを落としてしまった際は、すぐに拭き取りましょう。また、ホコリは革の劣化や汚れのもとになってしまいますので、定期的に掃除機で吸い取っておきましょう。
また、長い間お手入れをしていない場合、生地が硬くなりひび割れが起こりやすくなりますので、お掃除とあわせて皮革用オイルやクリームを塗っておきましょう。革の乾燥対策もできるほか、表面のツヤ出しもできますよ。
人工皮革のお手入れは、乾いた布や固く絞った布で表面を拭く程度で大丈夫です。
ミシン目などの縫い目はホコリなどがたまりやすいので、丁寧にふき取るか、ブラシが付いた掃除機を使って吸い取ると、きれいに使い続けられますよ。
合成皮革のなかには酸性やアルカリ性に弱いものもあります。これらを含むコスメや薬品などが付着した場合、変色や変質、破損につながる可能性がありますので、十分お気をつけください。
掃除機でホコリやゴミを吸い取るのが一般的なお手入れ方法です。
掃除機をそのまま使うと、生地が傷みやすくなってしまいますので、掃除機はブラシ付きのものが良いでしょう。
においの染み付きが気になる場合は、ファブリック用消臭スプレーの利用がおすめです。
長年使うと汗ジミや汚れなどが気になります。そんな時は、汚れが気になる場所に希釈した中性洗剤(洗濯用洗剤など)を少量付け、固く絞った布でたたきながら拭きましょう。
仕上げに、固く絞った布でたたき、汚れていた場所をよく乾かして完成です。
❶ ソファーはエレベーターに入る大きさか
❷ 階段などの踊り場でソファーを回転させることが可能か
❸ 玄関ドアの幅と高さはソファーが入るのに十分なサイズか
❹ 廊下の幅はソファーが通れる幅か
❺ お部屋の壁や廊下など、通路を妨害するものがないか
❻ コンセントや窓枠、カーテンなどで搬入経路が妨害されていないか
搬入はプロの方が担当しますが、搬入を担当の方にしっかり指示できるよう、経路と置き場所を立体的に把握しておくことが大事です。