四季を感じるインテリア > 6月のインテリアノート
月のテーマ *潤いを感じて/空気のインテリア*

6月と言うと、イメージは梅雨。うっとうしい季節という思いがあります。
でも、 庭の植物が雨に打たれて、ひとまわりもふたまわりも大きく葉をのばす様子を見ると
生き物の感覚として、このころほど温度や湿度、水分に恵まれて潤う季節はないと思えます。

ところが社会生活を年中変わらず営む私たちにとっては、
体調管理が難しく部屋の快適さを見いだしにくい季節とも言えますね。
そんな時節を快適に暮らすポイントが今回のテーマです。

■ 気温 

普段何気なく、ニュースや気象情報をみて「今日は28度もあったんだね、だから暑いはずだよ」と話すことがありますが、さて、あなたは何度が自分の最適気温ですか?

クーラーの温度設定をクールビズで28度にされて暑い暑いと言ってませんか?(そしてこっそり22度くらいに設定を替える猛者も?)

これにはいくつかの問題点があります。
まず自分の衣服の状態と気温の関係を考えていないこと。
冷風吹きだし口の関係で部屋の中が均一の気温でないこと。
特にクーラーの温度センサーと自分の位置が違うのも問題です。

もっというと、そもそも温度計を置いていますか?
エアコンの温度設定だけでこと足りると思っていませんか?

 すてきな温度計を 


まず、温度を知りましょう。
最近はデザイン的にも優れた温度計がいろいろと手に入ります。

上の画像のものは、ガリレオ温度計。
液体の中の浮きが上り下がりしている様子で温度を知るものです。
透明硝子の涼やかさとともに、オブジェのような美しさがあって、遊び心満載の温度計です。
自立しますので部屋の中の思う場所に移動させます。
画像は広縁の小机に置いたもの。籐椅子の側ですから、寛いでいる時快適だと思ったときにその気温を知るということからまず始めてみましょう。

下の画像は壁掛け型の透明な温度湿度計。
となりにエアコンのリモコンを置いて、気温管理します。
湿度計が付いているので、湿度もしっかりチェックしてください。

温度が高くても湿度が低いと過ごし易いもの。
けれど40%以下になってしまうと、体のために良くないときもあります。我が家でも病気療養中の家族の居室は高湿度で維持します。といって、いつも70%以上という部屋では今度はかびや湿気で困る訳で、無人になる時間に一旦しっかり乾燥させてから、湿度を補うというメリハリが必要です。

■ 風の吹く時  ■


ところで、風があると体感温度が数度下がるということをご存知ですか?
エアコンの風を部屋中に回すというのではなく、壁に一旦当てるように扇風機を使うと、気温のムラも少なくなりますし、冷風が体にあたるより快適です。

エアコンがあるから扇風機はいらないというのではなく、積極的に風を使うことでクーラーの温度設定を少しあげてエコな生活をすることが出来ますね。

そのためにも、ご自分好みの温度湿度を把握すること。
これからすべてが始まります。
画像のように時計に温度計湿度計が付いているものもあって
おしゃれな感じにチエックできるのも、最近嬉しいことですね。

心地よい季節というのは一年の中でもほんの数週間です。
それ以外は、そのときの記憶をたよりに、心地よさを作り出さなければなりません。
快適さは数値に変換できない。そう思っていましたが、意外に数値化された気温湿度の情報は、主観的でもある快適さを維持するツールとなるものです。

24時間365日暑くも寒くもないように空調で管理されるという夢のような設備も、個人住宅用にあるのですが、
周りが緑したたる田園だったり爽やかな季節に窓を開け放ちたいという人には向きません。
それなら手動で、快適さを手に入れましょう。
快適な部屋で飲むいっぱいのお茶のこころよさを愉しむひとときは何物にも代え難いものですものね。

インテリアコーディネーター:山口由美子

< プロフィール >
グラフィックデザインを学んだ後、インテリアの世界へ。(インテリアコーディネーター資格の登録1期生)
店舗のウインドウディスプレイや個人住宅のインテリアなどをお手伝いされています。
 創作グループ:霞夜工房 代表

 

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