四季を感じるインテリア > 2月のインテリアノート
2月のテーマ kirie■きりえ■切り絵


最近、海外から届くインテリアのアイテムのうち、植物柄の切り絵がブームとなっています。
一番最初に私たちが目にしたのは、照明器具に巻き付けられた金属光沢の植物切り絵のガーランドでした。

 今では、単一素材から切り取られた「切り絵」のコースター、
切り絵をモティーフとしたプレートのセットなどを多く目にするようになりました。
自然を感じさせるテーマながらクールな質感も持つ、切り絵アイテムを楽しんでみませんか?

■ 植物モティーフ ■


植物モティーフの切り絵の大ブームを巻き起こしたのは、
トードボーンチェというインダストリアルデザイナーの活躍の賜物です。
→ 興味のある方は tordboontje で検索してみて下さいね。

最初のガーランドという照明のインパクトはとてつもないものがありました。そもそも切り絵と言うのは、これと言って難しい技法ではなく、紙とはさみ(またはカッターナイフ)があれば、誰にでもできそうなものです。これを繊細な額絵にするのではなく、乱暴なほどのダイナミックさで、裸電球に巻き付けただけ。それも巻き付けるのは購入者のセンス…という商品でした。

その後、様々な作品を世に送り出していますが
一貫してその繊細な植物柄の美しさを楽しませてくれています。
上の画像は、カーテンと言う作品。そのままカーテンとしてレールに掛けてみましたが、この模様の面白さを引き立てるために
左に同じボリュームのストライプオーガンジーの黄緑のものを添えています。春の生き生きした雰囲気を、クールな中にも感じさせてくれます。

下は、彼の作品ではありませんが
最近キャンドル関連の商品として販売されているもの。
硝子のキャンドルベースに、自由に絡ませて使う金属製のアイテムです。これも繊細な植物柄が、使い手の自由で曲げ延ばしでき、2次元の切り絵のはずが、不思議な3次元バージョンに伸びやかに広がるのです。

 和紙で作るタペストリー〜木漏れ日〜 

 切り絵のインテリアパネル 

こちらは、手作りのもの。
2枚の和紙を重ね、一枚一枚の葉を
カッターナイフで切り出していきます。
下に重ねた和紙を緑にして、
間に緑のトレーシングペーパーを入れているので、色の深みが出ます。葉脈を筋を付けるように折り目を入れ立体化します。

爽やかな木漏れ日をイメージしたのですが、
意外に簡単な作業で、
側にスタンドがあると陰翳が出てとてもきれいです。

下は、完全な切り絵ですが
黒画用紙を折り畳んで円形に12等分したものを
切り込みを入れて開くと、とても面白い模様になります。

土台に、画材屋さんで手に入る木製パネルを使います。
まず、ベージュの布をパネルに貼付けます。
タッカーを使うと簡単ですが、押しピンでも十分止まります。
布は緩みなくきっちり引っ張ってくださいね。
角はていねいに折り畳んで止めます。
そし てその上に先ほどの切り絵を配置して
両面テープなどで仮止めしておきます。
白い毛糸でスラブ糸という太さが変化しているものを
1mm間隔で ぐるぐると巻き付けていって出来上がり。

切り絵そのものでなく、ちょっとした手を加える事で、
いろいろなイメージを変化させる事ができ、
とても楽しく面白いインテリアアイテムとなりますね。

 ライティングのアイデア 


これも厳密に言えば、切り絵の範疇でしょうか。
シンプルな照明に、加えた影の美しさを楽しみましょう

上のフロアランプに、雪の結晶のシルエットが見えますが
これは木製のオーナメントを
両面テープで内側に止めつけただけです。

クリスマス時分にたくさん手に入るオーナメントも
このように影を浮かべるアイテムとして使うと
より世界が広がるようです。

このように影を作るものとして
切り絵アイテムはとても利用価値があります。

影が美しく出るためには
平面的で、半透明のシェードにぴったりと付ける事ができる事が重要です。これで繊細な模様もくっきりとした影を作ります。
反対に立体感を出すときには、くっきりした部分と、シェードから少し離れたようになって影が曖昧になった部分とを作ると良いでしょう。

下のものは、観葉植物の造花の枝を内側に立てかけたものです。
葉先の細かな切れ込みがくっきり見えますが、葉柄部分は離れているのでふわっとフェードアウトしています。

 「切り絵」というと、幼稚園ではさみを苦心して使いながら作った作品から始まるように、至極単純な技法ですが
 とても繊細なものからダイナミックなものまで、広く豊かな世界を持っています。

 あなたもはさみとカッターナイフで すてきな切り絵の世界にチャレンジしてみてはいかがですか?
 その時間がないなあ…と言う方は、お店で切り絵アイテムをお求めください。

 楽しい切り絵の世界、あなたもインテリアの中に取り入れてみてくださいね。

< プロフィール >
グラフィックデザインを学んだ後、インテリアの世界へ。(インテリアコーディネーター資格の登録1期生)
店舗のウインドウディスプレイや個人住宅のインテリアなどをお手伝いされています。
 創作グループ:霞夜工房 代表

 

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