四季を感じるインテリア > 12月のインテリアノート
12月のテーマ 灯りがともる…


いよいよ師走ですね。
寒さのせいばかりでなく、この季節のあかりには、心癒されるものが有ります。

今回はそんな灯りについて、お話ししましょう。
といっても、キラキラピカピカのライトアップではなく
お部屋のコーナーを印象的にしつらえる小道具としてのあかり…です。

 白熱灯のあたたかさ 


最初の画像は、昔ながらの6畳の和室です。
この部屋がどうしてこんなにおしゃれになるかというと
天井の中央にある普通の配線から、そのまま灯具を高さ1mほどの低さにまで下げているだけの事なのです。

真下に小さな机が有り、そこに野の草や枝が生けられています。
小さなアイアンの骨董も添えられていて、
普通の部屋というより、隣り合わせる部屋への通路である事の多いこの部屋が、魅力的な場所になっています。
いわば、ホテルのエントランスホールのようなものです。

このように灯りの位置を変える事はとても印象を変えます。
一般に高い位置ほど全体的に明るくする訳で、低いほど部屋の隅に影の溜まりができます。このコントラストが、成功すると美しい陰影をもたらすのです。

最初にする事は、天井の照明を消す事。
そして、白熱灯(40W~60W)または電球色蛍光灯(12W~17W)の 照明を2~3カ所高さを変えて置いてみる事です。
手近なスタンドなどが使いやすいでしょう。

下の画像は、そうやってコーナーに置いたスタンドです。
ここにも少々のグリーンを添えています。
ランプとグリーンはとても相性がいいのですよ。

 ろうそくの緊張感 


こちらは、古い民家を板張りになおして、古い民具やタンスがレイアウトされているお宅。そのコーナーに、和ろうそくの燭台がありました。

この時は、来客を迎えるために、煌煌とろうそくがともされています。この見返しには古い打ち掛けがディスプレーされていて、大迫力のしつらえです。

また、下はリビングのホワイトとガラスの2段になったセンターテーブルの上に置かれたキャンドル(ティーライトキャンドル)です。
これはガラスのキャンドルホルダーをたくさん並べ
さながら 光の饗宴と言った感じでしょうか。
ボリュームのあるしつらいですが、
一つ一つのキャンドルは小さなもの。
それなのに先ほどの和ろうそく1本分と同じくらいの迫力です。

このようにろうそくを使うと、炎の美しさと怖さと喜びと…人が炎を制御して来た歴史も含めて、私たちに深く感じさせるものとなります。適度な暗さと光、ろうそくはその配分が絶妙な道具である事に改めて感心させられます。この緊張感をうまく利用して、来客への歓迎の気持ちが表せる訳です。

もちろん、くれぐれも安全にご留意!

 愛らしいスタンドの癒し 



最後に、
最近小さなスタンドが安価にお店に出回っていますが
、これも使い方次第で、高価なものに負けない演出ができる事のご紹介です。何の飾りも無いシンプルなスタンドです。スタンド描いて?といって子供に描かせたらきっとこんな形。

でも、色と場所と光の広がる周りに、ちょっとの緊張感を持たせたら、ほんの小さなコーナーがすてきな場所に変身します。
お気に入りのCD、スペイン風の陶器など、ミルクホワイトでまとめたのですが、スタンドを灯せば立ち現れる陰影の見事さをご覧ください。

こういった穏やかな光景には、癒しの効果もあるでしょう。
お気に入りのジャズでもいかがですか?


日中はお仕事で自宅にいない人も、楽しめる夜の灯りの美しさ。
天井から光が溢れる…というのも必要な時間があるでしょうが、
時には、光のコントロールをして夕べの一時を楽しむのも良いものです。

私のお気に入りの旅館S亭では、客が好きなCDが楽しめるように、各お部屋にCDプレーヤーとジャズがメインのCDコレクションが備え付けられています。夕暮れ迫る宮島を眺めながら、ゆるやかなジャズを聴くひとときは至福と言えるものです。光はあった方が良い。でもたくさんは要らない…そんな時間を、お宅でもどうぞ。


< プロフィール >
グラフィックデザインを学んだ後、インテリアの世界へ。(インテリアコーディネーター資格の登録1期生)
店舗のウインドウディスプレイや個人住宅のインテリアなどをお手伝いされています。
 創作グループ:霞夜工房 代表




 

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